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低糖質ダイエットVS低脂質ダイエット -学術論文より-

今回のテーマは「低糖質ダイエットと低脂質ダイエット、どちらが効果的な方法なのか」を論文を通して考察していきたいと思います。

よくダイエットのために炭水化物を控えるという話を聞きますが、

炭水化物を控えるのは本当に有効なのか?有効なのであればどの程度控えれば効果的なのか?

そのあたりの参考になれば良いかと思います。

まず論文は右図のものとなります。
題名は

Effect of Low-Fat vs Low-Carbohydrate Diet on 12-Month Weight Loss in Overweight Adults and the Association With Genotype Pattern or Insulin Secretion
-肥満成人における12か月のおよぶ低脂質ダイエットと低糖質ダイエットの効果と、遺伝子タイプおよびインスリン分泌との関連-」
となります。

このような研究は、参加者が長い期間毎日の食生活を指示された通りに行っていく必要があるため、非常に難しく本国では行われていない研究となります。
こちらはアメリカカリフォルニアのスタンフォード大学の研究者によって行われてた研究となります。

以前の研究において、遺伝子型またはインスリン分泌がダイエットに影響を与える可能性のあることが報告されており、この研究では「低糖質・低脂質」といった食事内容のみでなく、上記の内容も明らかにすることを目的として行われた研究となります。

結果
年齢、BMI、遺伝子型、インスリン動態の異なる609人の参加者が無作為に振り分けられ今回の研究が行われ、そのうち研究が完了した参加者は481人であった。
健康に及ぼすことのない、健康的なレベルでのそれぞれの食事形態で12か月後の体重変化は
低脂質食では「-5.3kg」 低糖質食では「-6.0kg」
であった。
食事と遺伝子型、食事とインスリン分泌との関連については体重減少とそれぞれの関連に有意差はなかったという結果であった。

考察
この12か月の研究では、健康的な低脂肪食と健康的な低炭水化物食の間で体重変化に有意差はなく、遺伝子型もインスリン分泌も体重減少に対する食事効果と関連していなかったとされます。
つまり低脂肪ダイエットも低糖質ダイエットもそれぞれのダイエット効果に差はないということとなります。

ただし考慮する必要がある点として、今回の食事内容が「健康的な」というところです。
今回の主要栄養分布の平均割合が、炭水化物で48%:30%、脂質で29%:45%、タンパク質で21%:23%と設定されています。
先行研究においては炭水化物の割合がさらに低い割合においては低脂質食よりも大きなダイエット効果があったというものもあります。

このあたりについては、また今後紹介していきたいと思います。

ただ、メディアで取り上げられているから、芸能人や周りの友人などが成功していたからと言って安易に低糖質ダイエットに手をだすのは問題かと思っています。
メリットもあればデメリットもあること、リスクについても把握しておかなければダイエットも危険なものとなってしまうことがあります。
ダイエットは早く効果をだすことも大切ですが、まずは「計画的に、健康的に」行っていきましょう。

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