肩こりと身体アライメント(姿勢)との関係について

今回紹介する研究論文はこちら

はじめに

【肩こり】は医学的な病名ではなく症候名である。「後頭部から肩、肩甲部にかけての筋肉の緊張を中心とする、不快感・違和感・鈍痛などの症状、愁訴」とされるが、明確な定義はいまだない。
平成19年の国民生活基礎調査によれば、肩こりは女性の訴える症状の【第1位】、男性では2位である。このように非常に多い症状であるにもかかわらず、肩こりに関して詳述した文献は決して多くない。(われわれ)理学療法士が肩こりを診る場合、姿勢に着目することが多いが肩こり者の姿勢に関する報告も散見される程度で、「統一した見解は得られていない」
本研究の目的は、肩こり症状とアライメント、特に肩甲骨、肋骨、骨盤アライメントとの関連性について明らかにすることである。

対象と方法については省略。。。

結果

◎体幹正中線と肩甲骨内側縁のなす角
【非肩こり側】で12.50±6.13°、【肩こり側】で3.11±7.66°と肩こり側において有意に減少
◎胸骨体と肋骨弓のなす角に有意差を認めなかった
◎ASISとPSISを結んだ線が水平線となす角
【非肩こり側】で7.83±7.74°、【肩こり側】で3.17±8.59°と肩こり側において有意に減少
VAS(症状の程度)と上記のアライメントについては有意な相関を認めなかった

考察

本研究の結果より、肩こり側は非肩こり側に比べて【肩甲骨の上方回旋が減少】し、【骨盤の前傾が減少】していることがわかった。座位姿勢において土台となる骨盤のアライメントがより上方の身体へと波及し、肩こりに何らかの影響を及ぼしている事が示唆された。
身体アライメントと肩こり症状の強さにはいずれも相関を認めず、症状の強さは今回調べた身体アライメントの異常だけでは説明がつかないことがわかった

理学療法学研究としての意義

肩こりの理学療法において、肩甲帯周囲のみならず骨盤帯周囲に対しても評価、介入が必要となる場合があるかもしれない。また肩こりの症状の強さについては、身体アライメントのみならず多角的な視点や介入が必要であることが示唆された。

最後に

肩こりの原因として一般的に「姿勢」があげられることが多くありますが、研究報告として挙げられたものは多くありません。
今回紹介した論文がすべてではありませんが、実際に測定、比較により示されるものには少なからず説得力があります。
猫背や巻き肩と呼ばれるものも肩こりの原因と考えられますが、どの程度の脊柱の弯曲で猫背となるのか、明確な定義はありません。
骨盤の前後傾や肩甲骨の回旋には中間位(ニュートラルポジション)があるため、どちらに傾いているか判断しやすい指標にもなります。

さらには「肩こりは肩周囲のみの施術では解決できないこと」、「姿勢を治し【維持させる】ためにはエクササイズ、トレーニングが必要であること」が考えられます。

これを読まれた方の中に



◎肩こりや頭痛で悩んでいる
◎マッサージや整体に通っている
◎温めるなどの電気治療のみを受けている


という方は症状を解決するために力になることができるかもしれません。
一度ご相談ください。

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